エスカレーターを歩かずに立ち止まるために


メーカーや鉄道事業者などがエスカレーターに「立ち止まって乗って」と呼びかけるのには、3つの理由があります。

ピンとこない。
都内のラッシュ時とそれ以外では状況がまるで違うのでラッシュに限った話をする。理想は混雑していない電車に乗って、急がずゆっくりと移動することだとは思うけど悲しくも社会のデザインがそうはなっていない。声かけ程度で右側に立ち止まることが浸透するとは思えない。



1つは安全です。「日本エレベーター協会」によりますと、平成25年から2年間にエスカレーターで起きた事故のうち、歩いていてつまずいて転倒するなど「乗り方の不良」が原因の事故は882件。毎日のように事故が起きていることになります。
トラブルなどでエスカレーターが緊急停止した場合にも、立ち止まって手すりにつかまっていないと危険です。

全国で1件/日というのがそんなに多くない気がしてピンとこない。階段を歩いている時の事故やエスカレーターへの乗り降り時の方がもっと多いのではないかという気もする。手すりを持って歩けば解消される事故も多いのではとも思う。

2つめは混雑の解消です。朝夕のラッシュ時に、エスカレーターを待つ行列をよく見ませんか?
この行列、歩く人のために片側を空けようとするとできやすいんです。2列で止まって乗ったほうが、1度に乗る人数が増え輸送効率も向上して、混雑の解消につながるのです。
これは、海外で行われた実験でも裏付けられています。

都内の朝のラッシュ時で2列になったからといって混雑の解消につながるとは思えないのでピンとこない。海外で行われた実験は都内のラッシュ時と同じ条件ではないのでは?と思ってしまう。検索していないので未確認。

3つめは障害者やお年寄り、ケガをしている人への配慮です。
例えば、東京に暮らしている左の手足が不自由な人は、右側の手すりにつかまると安定します。ところが右側をあける習慣が広まっているため不安定な左側に立つことを強いられているのです。その脇を人が歩いてぶつかると転倒するおそれもあります。

これは理解できる。ただ、そういう人のためにエレベーターがあるのではと考えてしまう。余裕があればそんなことは考えないんだろうけど、朝はみんな余裕がないんだ。



自分は休みの日のデパートなどのエスカレーターでは右側で立ち止まったりもする。だれもイライラしていないから気まずい思いをすることもない。ただ、今の状況で朝のラッシュ時に右側に立ち止まることは考えられない。

右側を歩きを止めるためには混雑解消のために都条例で会社の始業時間を変える、エスカレーターで歩くことへの罰則を設けるなどのとてもじゃないけど現実的ではない策くらいしか思い浮かばない。

それよりも事故を減らすためにエスカレーターの幅を広げる、エレベーターを増やす、輸送量を増やすために高速化する、歩き用エスカレーターと歩かない用エスカレーターに分けるといった方がまだ現実的と感じる。いや、現実的ではないんだけど。